懐かしい話
高校生の頃の話。
暑くなると思い出す。
1人で西表島へ潜りに行く。
当時、石垣までの直行がなかったので那覇で乗継。
石垣に着き、荷物を回収しようとしていたが待てども待てども荷物が出て来ない
ターンテーブルに乗ってる荷物は1つだけ
むなしく何周もその荷物だけが回っている。
誰も取りにこない…
まさか誰か間違って…
でもぜんぜん色も形も違うし…
着替えも機材も全てその中、手元には財布しかない
当時は携帯もなく連絡手段は公衆電話のみ
その頃の石垣空港は小ぢんまりとした建物、係員もおじさん1人しか見当たらない
とりあえずそのおじさんに荷物が出て来ない事を伝える。
おじさんはどこかに電話してる
けっこうな時間が経過
おじさん
『ないね~どこ行ったのかね~』
まるで他人事(まぁ他人事なんだが)
のんびりと時間だけが過ぎ、こっちだけがイライラ
仕方ないさぁ~
無いもんはないんだから~
イライラしても出てこんよ~
とおじさん
おいおい誰のミスでこうなってんだよ!
なおさらイライラ
呑気に誰かが間違って持っていったかもしれんね~
と言われ呆然としてると、もう1人おじさんが現れ那覇に置きっぱなしになってると!
載せ忘れてたみたいね~って
マジ?
まぁ盗まれてなかっただけいいか…
と思ってたら
『今の便が那覇からの最終なので今日は取れんわ』
とおじさん
『明日朝一の便で運んでくるから届けるさぁ~』
マジ?
今から西表島行くけど届けてくれる?
『はっさ~それはできんなぁ』
マジ?
次の船に乗らないと西表島には渡れない…
なんとかならんかとおじさんに詰め寄るも飛行機飛んでないからもう無理
と言うかそろそろ空港閉めるからと…
そんなバカな
途方にくれてるとおじさんが知り合いの民宿紹介したげよかと呑気な言葉。
仕方なく、この日は石垣泊、翌日荷物を回収して西表島へ行くしかない
責任取って民宿代出せと南西航空のおじさんに言っても、そりゃダメさぁ~と一蹴
優しいんだかなんだかよくわからん対応
当時よくお世話になっていた西表島のうなりざきへ連絡を入れタクシーで民宿へ
おじさんが連絡してくれていたようで、民宿のおばぁが『一番広い部屋だからね』と6畳程のお世辞にもキレイと言えないカビの香りがかぐわしさ満点のお部屋へ
到着が遅くすでに飯もない
凹んでるのを見かねたおばぁが "ビール" と "ビーフジャーキー"、それに "エロトピア" を2冊持ってきてくれた。
テレビもエアコンもない部屋
手元には財布とビールとジャーキーにエロトピア…
扇風機が虚しく音をたてる…
沖縄の人は優しいなぁと…(笑)
翌朝、空港で荷物をピックアップ、即連絡船に乗り無事西表島へ
午後から潜れた。
時間がのんびり回ってる離島ならではの出来事でした。